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遺言書
遺言書のポイント

・遺言書の中で大多数を占めるのが、公正証書遺言自筆証書遺言です。
・その内容の信憑性から、公正証書遺言で行うのが確実で一般的です。
・遺言書があれば、遺産分割協議が不要。すでに遺産分割協議書がある場合は、遺言書の内容が優先します。
・遺言書はいつでも自由に内容を変更したり、取り消すことも可能です。
このようなご心配には、遺言書で対応できます。
○夫婦だけで子供がいない
○再婚したが、先妻との間に子どもがいる。
○子供たちの仲が悪い
内縁の妻がいる。
○特別に世話になった人がいる。
○相続人に行方不明の人がいる。
○相続人が全くいない
個人事業を営んでいる。
○ひどい虐待を受け続けたので、息子だけは絶対に相続させたくない。
遺言とは?
親族間の想定外の相続争いに備える保険でもあります。
遺言とは、まだ元気なうちに、「自分の意思」を相続人に伝えるために書き遺しておく書面のことです。自分の死後に、無用な争いを避け、円満な家族関係を維持してもらうための一つの方法です。
例えば、「自宅の土地は先祖代々からのもので、長男に相続してもらいたい」「預貯金は妻と二男に相続させたい」といった内容が考えられます。遺言書がなければ、法定相続人の間での遺産分割協議によって、相続財産の分け方が決められることになりますが、遺言書があれば、遺言書の内容が優先されることになるのです。
<トラブルになるケース>
1.長男は実家から離れて住んでおり、自分の周りの面倒や賃貸不動産の管理は長女がしていた
2.昔、家族が亡くなった時に、相続でもめた
3.自宅の土地建物は曾祖父からのもので、名義変更をしていない
4.離婚経験があり、先妻との間に子供がいる。
5.連絡が取れない、もしくは昔から非協力的な相続人がいる。
6.生まれてすぐ、養子に出した子供がいる。
7.家族間の仲がいいとは言えない
前もって、遺産分割協議が困難であることがわかっている場合は、遺言書を遺すことで、ご家族を無用な争いから守ってあげられることもありましょう。
公正証書遺言と自筆証書遺言について知りたい
下記2種類の遺言方法は多くのケースで用いられている代表的なものです。
1.公正証書遺言
  公証人役場の公証人に作成してもらう方法です。証人2人が立ち合い、遺言をする人が公証人に伝えた内容を、公正証書にしてもらいます。この場合、公正証書の原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配がなく、証人もいることから、自筆証書遺言に比べると信憑性が高く、無効と訴えられるリスクは低くなります。

2.自筆証書遺言
  遺言をする人が自分で作成する方法です。全文自筆で、日付と署名押印をします。
  家族に内緒で遺言書を作成したい方、相続トラブルの可能性の低い方、できるだけ費用はかけたくない方は自筆証書遺言をお勧めします。この場合、法律で決められた方法で作成しないと、無効になる場合がありますので、事前に専門家にご相談下さい。
遺言書には何を書けるの?
遺言書に書けることは、法律で定められています。
遺言書の作成方法は法律で定められております。(法定遺言事項)
法的な効力が生じるのは、下記のような法律が定める一定の行為に限られています。
 1.相続分の指定
 2.遺産分割方法の指定
 3.遺産分割の禁止
 4.遺言執行者の指定
 5.認知
 6.推定相続人の廃除およびその取り消し
 7.特別受益者の相続分の指定
 8.財産の処分(贈与、寄付行為)
  などがあります。
  また、遺言書には法律で定められた事柄以外に、葬儀についての要望や家族への感謝の言葉などを付言事項として書くことも差し支えありません。
遺言書の内容は書き変え可能ですか?
遺言書の書き変えはいつでも可能です。
状況の変化により、遺言書の内容を書き変える必要性が出てくる場合もあるかと思います。
法律(民法1022条、1023条)では、
→いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
→前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
とされていますので、遺言書を書き直したい場合は、内容の異なる新たに遺言書を作成するか、過去の遺言を「取り消す」旨の遺言書を作ればいいことになります。内容が矛盾する場合、どちらの遺言が優先されるかは、作成日の前後で判断されますので、公正証書で作成した遺言書であっても、後で作成する自筆証書遺言で撤回することも法律上可能です。
遺言書の検認とは?
公正証書遺言の場合、家庭裁判所の検認手続は不要です。
自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所の検認手続が必要となります。遺言者が死亡して相続が発生した時に、遺言書そのものやその遺言書が入っていた封筒を家庭裁判所にそのまま持参します。(遺言書に封をしてある場合には封を切らないで)
その後、家庭裁判所が相続人全員を“遺言書検認期日通知書“にて呼び出し、裁判官が遺言書に書かれてある内容や、遺言書の状態を確認するといった手続の流れになります。この検認手続をした自筆証書遺言でないと、不動産の相続登記や、金融機関での預貯金の払い戻しに使用することができません。
※管轄裁判所は亡くなった方(被相続人)が最後にお住まいになっていた場所を管轄する家庭裁判所になります。
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